五つの輪
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オリンピックというものがある。四年に一度開かれる、スポーツの世界大会である。この大規模なイベントのために、開催国は莫大なカネを使って準備し、選手も莫大なカネを使って出場資格を獲得し、ファンは莫大なカネを使って零泊四日の応援旅行に出かける。そして、終了後には、開催国は残った競技場が生み出す赤字で財政難に陥り、賢明な選手はさっさと引退して第二の人生を歩み始め、生活費を応援旅行に使ってしまった愚かなファンは借金地獄へ落ちていく。
オリンピックのことを「五輪」とも言う。オリンピックの旗に五つの輪が描かれていることによるものであることは、今さら言うまでもない。この「五輪」は「ごりん」と読むが、この発音が「オリン」に似ていることから、オリンピックの正式名称が「ゴリンピック」だと思っていたのは、幼少の頃の話である。
「五つの輪」は、五大陸を表している。さて、この「五大陸」とは何を指すのか。調べてみると、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、オーストラリアの五つであったり、オーストラリアを除外してアメリカを南北に分けたりしているようだ。どちらにしろ、南極は含まれないらしい。しかし、五大陸でよかった。もし、アメリカを南北に分け、オーストラリアと南極も含めて七大陸となっていたら、オリンピックを「七輪」と呼ぶことになっていただろう。スポーツの祭典が料理の祭典になってしまうところだった。
そういえば、宮本武蔵の武道書に「五輪書」がある。もし、これが「七輪書」だったら、武道書ではなく、おいしいさんまの焼き方が書かれた料理本だったかもしれない。
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