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3つ目の神器を手にした三人。
ついにアルカムーンの本拠地に乗り込むことにした・・・はいいが、その道のりは激しく、厳しく、切なかった。
もりもり街道はその名とは裏腹に砂漠だったのだ。
「むりぽ」
みんながそう口にしていた。しかし、しばらく進んだところで秋羅の目が点になった。
「おい。みんな、あれ・・・見てみろ」
かすかに見えるのはアルカムーン、目指すその地である。
ついこの前まで―といっても秋羅がそこにいたのはほんの少しだが―あんなに華やいでいたアルカムーン。それが、「戦い」のせいだろうか。暗く歪んだ空気が、妖気のように外まで漂っている。
「あれは・・・本当にアルカムーンなの?」
「そうに決まっとろうが」
その懐かしい声にびっくりして秋羅が振り返ると、そこには「あの」ゼスカばあさんがいた。
「ゼ、ゼスカさん!!!」
「ひゃっひゃっひゃ。こうして戻ってくることができてよかったわい。みんな大変そうじゃのう」
「ど、どうして・・・」
「なあに、簡単だよ。私はこういう空間には入りなれてるからね。出てくるなんてお安いご用さ」
そういって、手に持った鍵の束をじゃらじゃらさせる。どうやらあの鍵のどれかで、出てきたらしい。
「あの人、信じていいのかしら・・・」
ぼそっと聞こえないように、雅美が言った。
その不安はやはり秋羅のなかでも掠めた。だいたいこいつらは、どうして俺と一緒にいるんだろう。
祭壇にトリップしたときの声が頭の中に蘇る。
『さぁ、起きるが良い。最後の神器を見つけ出し、この世界を終わらせるのだ』
いやな予感がして、秋羅はぞくりとした。ぶんぶん首を振って邪念を振り払う。
「ごちゃごちゃ言ってないで行くぞ。アルカムーンへ」
一行は新たな一歩を踏み出した。
* * * * *
その頃、ゼオスρ区の姫は最大の危機に瀕していた。
王が殺されし後、新たな王になろうとしているものに追い回されていたのだ。
「神具はどこだ・・・っ!!」
「知らない、知っててもあんたには教えない!この城から出て行って!」
「あまいことをいうな。お前のエナジーを吸い取ってやる」
「くっ・・・くらえ、ムーン・スパイラル・ハートアタック!」
「エメラルド・スプラッシュ!」
お互いの息はあがる一方だ。はぁ、と苦しげに息を出すリシェルに休む暇もなく魔王は新たな技を繰り出す。
リシェルは追いつめられ、ついに喉元に長い刀を突きつけられた。
「答えろ。世界で一番残酷な殺し方で殺されたくなければな」
と、そのとき窓の外から二人は異様な気を感じた。
神具の共鳴しあう響き、とでも言おうか。神々しく、それだけに怪しく脆い。
魔王もリシェルも、数分ほどその空気に圧されるばかりであった。
破壊の知らせ。
「・・・あれなのか」
そう呟いて、魔王は窓の外に出て行こうとする。
リシェルはとめようとした。なぜここに神具が戻ってきたのか分からない。
ただそれが奴の手に渡ったらと考えると、恐ろしさで顔から血の気が引いていく。
間違った時にあの神具を解放してしまったら、
間違ったモノが向こうの世界に入ったら。
そして、この世界が滅びてしまったら。
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